治療とは違います。結果的に体の調子が改善されたというケースは、もちろん多々あります。
ですが整体師の仕事は治療ではありません。
そうですね、例えばあなたが風邪を引いてしまったとします。診察をし、病状に合った薬を処方し、その風邪を治すのがお医者さんの仕事です。
我々整体師の仕事は、言うなれば風邪を引きにくい体を作る、もしくはそうなるように体の状態を整えていくことです。
治療という言葉を引き合いに出すのなら予防、または状態改善ではないかと私は考えています。
もう少し具体的な例を交えて話しましょう。例えば肩こりにお悩みの方がいるとします。その肩の痛みの原因は一様ではありません。
背骨や骨盤の歪みによる場合もあれば、それこそ普段の姿勢の悪さが問題となっているケースだってあります。
痛みの原因を見つけ、それを引き起こす体の歪みやズレを正しくあるべき状態へ整えていくことが整体師の成すべきことです。 湿布を貼ったりマッサージを受けたりすれば、それこそ一時的な改善は見られるかも知れませんが、結局は繰り返すことにもなりかねませんので、こういった根本の問題解決が必要と言えます。
おおむね合っていますが、ご自身でそれを自覚することは難しいでしょう。
それにまったく体が歪んでいないなんて人はそもそもいません。
立っているとき左右どちらかに体重を傾けているとか、仰向けより横を向いて寝ることが多いとか、
一方の手で頬杖を突く癖があるとか、体の歪みを引き起こす要因は挙げれば切りがありません。
意識すらしていない日常が、少しずつズレを生んでいるのです。
無論、そのすべてが異状の引き金になるとは限りません。
ですがどんなに小さい負担でも日々積み重なればいつしか大きな災いとなって現実に浮かび上がってくるものです。
歪みは誰にだって存在するものですし、限度を超えなければ目に見えて問題とはならないでしょう。
ですが、一度整体を受けてみることを私は強くお勧めします。
人の体の歪みというのは、往々にして年を追うごとに反動が大きくなるため、例えば三十代のうちに多少の無理をして仕事に没頭した体が四十代後半で悲鳴を上げるということがよくあります。 働き盛りを少し過ぎたあたりで、「俺も年かな?《と苦笑するような場面を想像してもらえればわかりやすいでしょう。 そうなる前に、本人すら気付かない負担を出来る限り取り除けるよう、体を正しい状態に整えていく。私はこれを『体のメンテナンス』と表現しています。
<インタビューアー NVRエンタープライズ株式会社スタッフ>